「always together」... 日本語に訳すと “いつも一緒に”

題名 |
武装神姫 always together |
作者 |
著者:ひびき 遊
イラスト:okama |
出版社 |
コナミ デジタルエンタテイメント |
購入場所 |
Amazon(中古販売) |
お値段 |
定価:980円
私の場合:400円程度 |
■表紙:前後
■ストーリーダイジェスト(裏表紙より抜粋)
“武装神姫”それは全高15cmのフィギュアロボ。
薄水色のケーブルを介し、15cmの体に覚醒に必要なデータを吸い上げる。
それはまるで、へその緒で母体に繋がる胎児のよう。
2014.07.14 MON 07:38
学習机の上で1体の神姫が起動する。全てが始めて目にする光景。
自分の主である“少年”の優しい瞳と、自分と同じ立場である6体の神姫達の好機の視線。
種型神姫“ジュビジー”の胸に不安と期待がない交ぜになった感情が生まれる。
神姫の胸に収めたれた3つのチップに心という灯がともった瞬間だった。
そしてこの日から7体の神姫と一人の少年との共同生活が始まる。
■表紙:帯
帯には、同時期に発売された公式ファンブック「武装神姫マスターズブック」の紹介記載も。
「武装神姫マスターズブック」の方は未読の為、いつか買って読んでみたいところですね。
(余談)
|゚Д゚)<今回記事に致します「武装神姫 always together」と↑の「武装神姫マスターズブック」は
ともに2007年(8年前)に発売された書籍でして、現在では絶版となっております。
現時点では幸いプレミア化に至ってない為、中古のモノでしたら入手は容易かと思います。
今回の記事は『武装神姫』を題材にした作品の中で、
総合的に一番好きな作品である
「武装神姫 always together」に関して、自分が魅力的だと感じたポイントと全体の感想を書いた
個人的な備忘録になります。
もしこの記事が『武装神姫』に興味がある方や、同じ神姫オーナー方に、この作品を手に取る
きっかけに成り得たら、本当に幸いです。
魅力的なポイント、その1。
◆登場する武装神姫達が健気で可愛い
・種型ジュビジー「カレン」(表紙の真ん中にいる神姫。前半は彼女の視点で物語が進む)
・花型ジルダリア「マーガレット」(表紙の右の方にいる神姫。カレンのお守り担当)
更に更に~…
・悪魔型ストラーフ「黒姫」 ・猫型マオチャオ「ミャウ」 ・侍型紅緒「菊之進」
・セイレーン型エウクランテ「バード」 ・砲台型フォートブラッグ「エミー」
計7体もの武装神姫が神姫オタクの高校生「小田 知秋(おだ ともあき)」の元で暮らしている。
武装神姫が題材の作品群の中では珍しく、結構な大所帯です。
カレン達の日常は"知秋宛に届いたメールのチェック"をしたり"知秋が自作したパーツの運用テスト"
~と言う名目の元「ご主人様が帰ってきた時に一番前に出られる権利」を賭けて、家の中で
小さな戦闘を繰り広げてたりする。
「ほら、私たちってこんなに数がいるでしょ?みんなご主人様のこと独り占めしたいけど、
それはできないから。かわりに出迎えのときだけでも、前に出て真っ先に声をかけたいのよ」
第一話 ちっぽけなバトルロワイヤル:花型神姫マーガレットの台詞
話が進むに連れ、小さな体を活かし紛失物の捜索を手伝ったり、
「ま、神姫が人間に奉仕するのは当然でござるしな」
第二話 お役に立ちます!:侍型紅緒「菊之進」の台詞
更には知秋宅に訪れたクラスの女子と上手くいくよう、影で便宜(?)を図ろうとしたりもする。
「名付けて『恋愛成就大作戦』であります!」
第三話 夏の思い出:砲台型フォートブラッグ「エミー」の台詞
…時には失敗し、様々な被害を被るオーナーの知秋だが、自分の神姫達を責めたり、叱ったりはしない。
彼女達は、ひとえに
「マスターの役に立ちたい」という一心で行動しているのだから。
そんな"武装神姫"達の一所懸命な姿。
特に、マスターの知秋とその家族やクラスメート、姉神姫であるマーガレット達と様々な経験し、
精神的に成長していくカレンの姿が「武装神姫 always together」の魅力の一つだと思います。
魅力的なポイント、その2。
◆人間(神姫オーナー)の登場場面が多い。
ゲーム、アニメ版「武装神姫」は神姫ばかりに焦点があたっている(神姫オーナー側の描写が希薄)のに対し、
「武装神姫 always together」では人間(知秋)と神姫が接する場面・人間側の心理描写も沢山盛り込まれて
おります。
例えば、カレン達のマスター:小田 知秋(おだ ともあき)
神姫マニアの高校生にして、カレン達7体の武装神姫のオーナー。
純粋に武装神姫が好きで、神姫のパーツを自作し、自営のネットショップで販売までしている豪のもの。
そんな彼が神姫達と触れ合い、愛でる様子は神姫・ドールのオーナーの自分にとって心温まるものでした。
特に
マーガレット達のメンテナンス場面と、
カレン達(武装神姫)を購入した経緯について、彼女達と語り合う場面がお気に入りです。
「拾われたとか中古品だったとか関係ないの。誰も気にしてないんだもの。だってご主人様は、
分け隔てなく愛してくれるんですもの。ねぇご主人様?」
「…改まって言われると、その、照れくさいけどね」
第四話 記憶の中の少女:花型神姫マーガレット&小田知秋
また、神姫オーナーである一面に加え、隠れオタクな学生としての一面も描写されており、そこも面白い。
例えば、知秋の実姉にして神姫嫌いの大学生:小田 夏美(おだ なつみ)が登場した際には、以下のやりとりが。
「ほんとにもう、トモったら。いつまでもお人形遊びなんて相変わらずオタクなんだから」
「だいたちねえ、あんたはそんなだから、高校生にもなって彼女の一人もできないのよ!
女の子の人形で遊んでる場合じゃないでしょ?そもそも神姫ってバトルさせてりして遊ぶオモチャでしょう?
それなのにあんたはなんで、着せ替え遊びばっかり!ほんとにもうーー!」
…知秋はすぐに「はい、はい」としか言わない生き物になった。
第二話 お役に立ちます!:小田夏美と知秋とのやりとりより抜粋
はい、はい…夏美の台詞には神姫オーナーの私にもクリティカルヒットですね…(半泣き
上記の彼女の弟に対する言い分はすべて、現代社会での共通の価値観として浸透されてるものなのですから。
一般人な実姉にまくしたてられ、やさぐれる知秋は私(趣味人・オタク)そのもの。
共感と親近感が温泉のように湧きます…!
「あー大変だった…くそ、どうせオタクですよ。彼女だっていませんよ。ちくしょう」
子供の頃から、あの勝気な姉を言い負かしたことなど一度もないのだ。
いいんだ、勝てなくても。知秋は割り切る。自分には神姫がいるのだから。
第二話 お役に立ちます!:小田知秋の呟きと心の声を抜粋
話が進むにつれ、高校のクラスメートにオタク(神姫)趣味がバレないよう四苦八苦したりする様子も
見受けられたりします。時に現実(家族・友人関係)に引っ張られながらも、懸命に趣味を謳歌しようとする
(神姫達と仲睦まじく暮らす)姿は、学生の神姫オーナー像として、かなり現実味あるものだと思います。
…何度、彼の台詞に頷いた事か!
「どうせバトルよりも、着せ替えが好きですよ。だって神姫をかわいくしたり、かっこよくするのが
好きなんだから。しょうがないじゃん」
第二話 お役に立ちます!より小田知秋の呟き
個人的な考えですが、神姫オーナーあっての「武装神姫」だと思います。
時に神姫達を支え、時に神姫達に支えられる人間達。神姫と人間の心の繋がりを多く描写してる点は
「武装神姫 always together」の魅力の一つ…の筈!
魅力的ポイント、その3。
◆イラストレーター:okamaさんの挿絵が素敵
イラストレーターであり、武装神姫の第4弾 種型ジュビジー/花型ジルダリアのデザインを担当した
okamaさんの挿絵もまた「武装神姫 always together」の魅力の一つかと。
特に武装神姫の種型ジュビジー、花型ジルダリアが好きな方には是非見ていただきたい。
↓神姫サイズのお洋服を着れてご満悦のカレン。後ろでは着付けに苦戦するマーガレット達が。
↑見づらいですが、奥の方で転がってる猫型マオチャオの「ニャウ」がこれまた可愛い。
まだまだありますよ。文字だけではイメージし難い部分を挿絵で補えます。
左:起動して間もないカレンのお守りを花型神姫のマーガレットに託す小田知秋
右:限定モデルの黒いアーンヴァルと対決するカレン
◆全体の感想
・プロローグ 覚醒
・第一話 ちっぽけなバトルロワイヤル
・第二話 お役に立ちます!
・第三話 夏の思い出
前半のプロローグから第三話までは、日常系アニメのような、和やかなお話。
雰囲気はTBSで放映されたTVアニメ版「武装神姫」に近いですね。私の大好物です。
和やかな分、戦闘描写は殆どありませんので、人によっては物足りなく感じる部分もあるかも。
そして後半の
・第四話 記憶の中の少女
・第五話 三年越しの約束
・エピローグ ???(ネタバレ防止の為、伏せました)
第三話までの和やかな雰囲気が第四話から一転、シリアスなドラマ寄りの展開に。ネタバレ防止の為、
詳細は書きませんが、読めばきっと神姫特有の悩みに苦しむカレンの姿に痛み、辛い事実を受け止める
神姫オーナーの姿に涙腺が緩むだろうなぁ…と思います。
月並みの表現でありますが、最後は本当に感動モノ!ですので是非読んでいただきたいですね。
読後感は本当に胸がすくよう。晴れやかで爽快な気分になれるかと間違いなし!
「……心温まるお話でしたね。お気に入りの一冊に加えましょう……」
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「おっと、武装神姫の本を読んでいるのかい?なら私のお気に入り漫画もあってだね~」
「?…ええっと…ウエルカム、ですよ」
おしまい